2015年04月05日

黒川能 第22回 蝋燭能 交流会



(漆塗りの器の内外の色を間違えていたようです、漆を塗り直しました。さらにかぶの漬物の色を間違えておりましたので漬け直しました)



諸般の事情により、一ヶ月前に書いておかねばならなかった記事を今、書いております。時間を遡ってご覧いただきますと1年のうちの一ヶ月、得したような気分になりますのでよろしくお願い申し上げます。 しかしながら、散りかけた花びらと、しわの出来た肌は元に戻りませんのでその辺は誤解なきよう読み進みください。


上のイラストは 蝋燭能 第2部 交流会 で各自の席に配られたおしながきのイラストです。とーしろオヤジが勝手にPCで彩色しました。





凍み豆腐と牛蒡は暖かいのを運んでいただくので最初は載ってないのです。おにぎりは宴の途中で配られます。

130人も参加する第2部の交流会ですが、席には第一部の席と同じ自分の番号が貼られており、どこに座ろうか迷わずに済むようになっております。それどころか、実行委員の心配りの真骨頂は、その席の並び方が、いくらかでも話の繋がりができるようにとても丁寧に考えられていることです。

とーしろオヤジの隣は偶然ではなく、黒川の家の当屋の時に獅子奮迅の活躍を見せた裏方「所帯持ち」を務められたま○おさんと親戚,でした。

何年も連続で参加する常連、上座に近い人、下座になじみのある人、誰かの声掛けで繋がる人、実に見事に配置されていて、遠い他所から尋ねてきた人も出来る限り話題に入れるよう、話が繋がるよう130人全ての参加者に配慮してあること。それもいつの間にか誰かの意思でそうしてある。

酒は地酒のぬる燗が木の樽の香りと相まって実にうまい。直径の大きな漆塗りの杯で一気に血流を暖める。

ご馳走は庄内育ちの自分にはうれしなつかしものばかり。凍み豆腐はもっと山椒を掛けてもらえば良かったか。以前、どぜおさんに送ってもらったり、かおるさんに本物の黒川の山椒をもらってから、だっつりかけたのが好きになった。牛蒡もうまい。

棒鱈の煮たやつはたまらん。味付けの絶妙。骨までそくそくと食べれる伝統の味は「からげ」(標準語でカラカイというか)と共に乾燥したものをもどして食べる食材の最高の一品。

柿なますもうまい。ぜんまいなんか毎日でも食いたい。
豊かな庄内の味が黒川の女性の確かな料理の腕で、何百年も千年も続き守られている。

能役者や囃子方の方々と話をしていると、どこかで見た女人が歩いてるのが見えました。すぐさま飛び出して声を掛ければ黒川に興味を持ってるとは聞いた事の無い同級生の「Y美」でした。

「どーしてY美がここに?」
「会社のお客を連れてきたのよ。 とーしろオヤジはなんでだっぷら姿でここに?」
「おらぁ、10年前から非公式の黒川能ファンだ。一緒に飲むか」
「別な日にね。じゃあね」


そういえば、今年はこんな準備もされていた。



大変な数の雪灯篭です。壁にはひとつひとつの切込みに蝋燭が仕込まれ、柱のように立つものも1本ずつ丁寧に造作されています。灯が燈ったらどんなに綺麗だろうか。明るいうちに撮った写真なので伝わらない。暗くなってからの素敵な画像ははここに実行委員会の秋山さんの写真がある。
とーしろオヤジは交流会の間、荷物を部屋の隅に置いたことと、案外酒が早く体を駆け巡ったのでカメラ持って外に出るという行動に至りませんでした。

そうそう、あっくんのご子息も「大地踏み」を立派に務められたとのことでおめでとうございます。 NHKの「三代友達」で笛の練習をするお父さんにしがみついていたあの双子の男の子ですよ。時間が経つのは早い。



2011年4月の放送からキャプチャった写真です。




交流会が終わる頃、超多忙なはずの親戚の奥様が迎えに来てくれた。彼女は黒川の家庭の主婦もこなしつつ金属加工の会社の社長でもあるので人一倍忙しいのです。それでも、毎年、蝋燭能で来てくれるお客さんと、お伊勢参りで仲良くなった人とか多くのお客さんを迎え入れるのでした。それも忙しいさなか大鍋で酒の肴を作り大量の飲み物まで準備して。頭の下がる想いです。




役者の人たちも交えてまた大盛り上がりです。



(写真はわざとぼかしております)





写し返しの技




山形から来られた母娘の中学生の女の子が実に熱心に黒川のこと、能のことを聞いていました。この人もまた素敵なレディになって黒川に通ってくることを祈ろう。




ベテランの役者、清和勉さんがとてもうれしそうに語ります。
「今度の例大祭で『鐘巻』のシテをやることになった。うまく出来るかわからないがとても楽しみだ。是非、見てくれ!」
それはそれは目をキラキラしながら語るのです。
ここに黒川能の強み、原動力の一端を見たような気がしました。これほどの経験者でさえ己にとって新たな舞を披露することに、胸躍らせて取り組むことができるとは・・・なんと幸せな男たちだろうと思う。


実に有意義な楽しい一日を過ごさせていただきました。
黒川蝋燭能実行委員会の皆様、能役者地謡、狂言方、囃子方の皆皆様、美味しい料理を準備いただいたお母さん方、黒川におじゃまする度にいつもお世話になっている王祇会館の皆様、かおるさん、黒川の全ての方々に感謝です。また、近々、おじゃまさせてください。





2008年、清和庄右エ門の当屋での『鐘巻』はものすごく楽しみにシテ、それを見に来たといっても過言ではなかったのですが、九州から飛行機を乗り継いで庄内にたどり着き、1月31日の晩からお客の接待など知らないなりにお手伝いをしたとーしろオヤジは、2月1日の本番ではとうとう疲れ果てて、夜は能がたけなわの頃に鼾をかいて寝てしまい、うるさいので鐘巻の鐘を被せられていたのでした。役者よりも早く鐘の中にいたのです。おかしいやら恥ずかしいやら。




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Posted by とーしろ at 16:16│Comments(4)黒川能
この記事へのコメント
とーしろさん!ありがとうございます!
この記事、シェアさせていただいていいですか?
今度は黒川とは別のマニアックなお話聞かせてください!
Posted by あっ!くんあっ!くん at 2015年04月05日 18:39
【あっ!くん様:いつもお世話になります。お役に立てましたら記事のリンクなりどうぞお使いください。

雪灯篭の写真をちゃんと撮れなくて申し訳ありません。それはそれは幻想的で素敵でした。さぞご苦労も多かったと推察いたしますが、黒川の方々の働きっぷりにはいつも驚かされます。

また、ゆっくりいろいろなお話を伺いたいところです。今後ともよろしくお願いいたします。
Posted by とーしろ at 2015年04月05日 19:51
今年の下座の所帯持ちした、ま○お氏の隣だったそうで・・・
「また、だっぷら着てきたっけぞ~」って言ってた(笑;

いつかは行きたい蝋燭能。
千葉より近いのに・・・
でって・・・
Posted by どぜお at 2015年04月06日 05:53
【どぜお様:話はいぇごど! たっちょなたが。

そうです、所帯持ちのま○おさんと一緒でした。あの王祇祭の後も神社に行くたびに顔を合わせておりましたが、隣で話をさせてもらうのは初めてだったかも。彼の徹頭徹尾、黒子に徹した見事な働きっぷりが目に焼き付いております。

蝋燭能は本番の王祇祭とは違う趣で、22回も数えてきた地道な継続はしっかり根付いてきたのではないでしょうか。

遠くからやってくるお客さんの、心拍数の高い反応っぷりが「大成功」を表しています。

今度、一緒にみっが。
Posted by とーしろ at 2015年04月06日 06:17
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