2009年02月22日

だっぷら

「徳兵衛!ンメリカからダイレクトメール届いてるぞ!」







「真空管の売り込みじゃないすか、しかし、しょっちゅう届きますよ、これ」

「真空管は美しい機能美の塊じゃの、で、ずいぶん安いの」

「あれっ、年末に秋葉に真空管買いに行くとか言って佐知はどーした?」

「あれっきりですよ、ンメリカで見かけたってオヤジがいましたけど」

「クリキントンおはまこはまか、あいつは酔っ払って会見したりするので信用ならんぞ」

「ところで、何の球(たま)が欲しかったんですかね」

「佐知は忍びの分際でああ見えてギタリストじゃからの、6V6GTか6L6GTか、はたまた整流管か」

「それだったら、ウチに売るほどあったのに、ほれ! 以前、ここからたくさん買ったもの」





「ありゃーっ! いったい何本ストックあるのじゃ?」

「整流管、プリ管、出力管、合わせて200じゃきかないっすね、珍しいこんなのも確保してありますぜ」





「なんだ?RCA 5692って?」

「基本は6SN7っていう3極管がふたつ入ったプリ管なんですがね、通信用海底ケーブルなんかの
メンテナンスが出来ないところに使う高信頼管で、性能が安定して壊れない高級仕様なんで」

「そんなもの、どこに使う?」

「やだね、先生、毎日聴いてるウチのAMPに刺さってますよ」

「そんな珍しいものをどっから手に入れたのじゃ?」

「・・?・・あれは3年前・・?・・ンメリカに行ったとき、結構探しましたロスの電気屋」

「ああっあのパトカーに追いかけられて、救急車と衝突しそうになったあの時の!」

「そーですよ、後ろからパトカー、前から救急車、向かってくるとき『ファオンファオン』、
すれ違うと『ファーオンファーオン』と・・周波数が下がる・・・」

「それって、むかし理科で習った 『ドップラー効果』 ってやつか?」





「で、やっとたどり着いたか『だっぷら』」

「やけに長いマクラでしたね、先生」

「おまえがもったいぶるからじゃ!」


昨年の黒川の下座 「王祇祭」 の本番前のワンショット!


祭りの当屋の全てを仕切るプロヂューサー「所帯持ち」 カッコいい
(黒川では『しょでーもじ』と発音する)
彼が倒れぬよう柱にくくりつけているのが『王祇様』(神のよりしろ、頭にでかい梵天)
(下座は立てる)(上座は水平に吊るす)
(黒川の男衆の「だっぷら姿」は紋付に黒いだっぷら)




ちなみに王祇祭の全体を仕切る統括責任者は「能太夫」
(黒川では『たよさま』と言う、本番では『翁』と他の番組のシテを舞う、下座:由部太夫)





当屋に集まった「お客さん」の 『だっぷら姿』


自動車整備士 T君




農業 H君





AMP製造休業中楽器練習休業中の怪しいにせものラーメン屋










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Posted by とーしろ at 10:07Comments(8)佐知物語

2009年01月10日

ばあさんと佐知




「先生っ!おられますか? 先生!」
「なんだ又八、騒々しいの、何か用か九日十日」
「おっ、今日はのっけからやけに調子いいですね、先生」

「あっ、それが大変なんですよ」
「だから、なんだつーの」
「おでれかねーでくださいよっ  大ニュースです!」
「もったいぶるのーっ、携帯で人を騙した割には反省のかけらもない物言いじゃの」

「長屋の”おつねばあさん”から聞いた話ですがね」
「おおっ、あの丈夫なばあさんか、山歩きが速い」
「おさきばあさんと姉妹の」
「なにせ足腰丈夫な二人で、近所では 『ころばぬさきとつね』 で有名らしいの」

「へえ、良くご存知で」
「どんなもんだい・・でも徳兵衛。 おっそうじゃ、徳兵衛いるか」
「何でございましょう、先生」
「又八がビッグニュースを持ってきたらしいぞ」

「いやね、なんでも佐知さんに隠し子がいるらしい・・ ってんですよ」
「・・・・・・うーむ・・・・・・微妙な話題じゃの・・・(父親はだれだ)・・・」
「隣町の呉服屋で3歳くらいの子供に着物を見立てていたというんですがね・・・」
「佐知に子供がいるとは・・聞いたことがないのぉ・・・(父親はけしからん奴だ)・・」

「それも佐知さんに良く似てるという話なんで・・・だれが父親ですかねぇ・・」
「徳兵衛は聞いたことはないのか? 一月も傷の手当をしておったろう、まさか
お前じゃあるまいの・・(徳兵衛じゃ務まらんじゃろ)・・」
「いやあ、そういう話は・・・・第一、ひと月で3歳の子供は無理でがんしょ!」


「にぎやかだねぇ、先生、お久しぶりです」




「あっ、佐知さんだ!何時の間に!」
「屋敷に入ってくるところを感づかれるようじゃ商売上がったりなんでね」
「ちげえねーや」
「徳兵衛には世話になったね、おかげですっかり良くなったよ」
「徳兵衛なに赤くなってんだ?・・(父親は探し出して釜茹でじゃ)・・」

「で、あたしに、子供がなんだって?」
「いやぁ、そのぉ、小さなこどもが・・あの・よく似た・・」
「ふふふ、やきもち妬いてくれたの? あれはねぇ、ねーさんの娘よ、
おことちゃんていうのよ、血が繋がってるんだもの、似てるわよ」


「あー良かった、又八、またお前の情報はガセだったのーっ ・・(やれやれ)・・」
「・・・へぇ・・・申し訳ありません、・・(あのばばあ、釜茹でじゃ)・・」




「ごめんね、あたし・・行くわ・・・急ぐの・・
秋葉行ってくるわ・・真空管切れちゃった・・」


「なんか様子がおかしかったの」
「そうですねぇ、アンニュイしてましたねぇ」
「徳兵衛はなに赤くなってんだ?  お前!・・(こやつなに隠してんだ?)」

・・・

・・・

「後光が差して・・・逆光で・・・・黒くしか見えませんでした、へぃ・・・」







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Posted by とーしろ at 16:35Comments(7)佐知物語