2015年04月22日

リニア中央新幹線 慎重論





夢の新幹線が現実になろうとしていた時、東京オリンピックとシンクロして首都高が開通し、経済が右肩上がりに発展していた時代。「夢の超特急」新幹線はとても速く便利で、ビジネスに旅行に最大限利用され、夢を現実にした日本の自信と誇りとして浸透した。












50年後の平成26年、リニア建設が決定された。そして、27年4月にはこんなニュースが流されるを見るにつけ、前向きな宣伝が意図的に行われている気がしてならないのは私だけではないような気がする。






リニアモーターカーについて考えて見る。
・新しく速く便利な乗り物が出来ることで活性化する良い面は確かにあるだろう。しかし、新幹線が登場した時代とまったく異なる地球規模の背景に目を向けるべきではないか。

・必要だろうか。
・ほんとに速くて便利だろうか。
・エネルギー消費に、CO2排出量削減に気を使わなければならない地球規模の命題に即しているだろうか。
・日本経済にとってプラスかマイナスか。

・磁場と電磁波は健康に問題はないのか。
・鉄道とはまったく別なインフラ整備に莫大な金が掛かりそうだが採算が取れるのか。国民の負担にならないのか。
・技術の進歩と技術者の成長は必要だが、実験線ではない商用鉄道としての「リニア新幹線」は本当に必要だろうか。



○速いか
東京から名古屋まで現在90分。リニアだと40分。A点からB点に物理的に移動する速さだけなら今までの半分の時間だが、リニアの駅は在来線と離れ大深度地下にあり移動距離が長く時間がかかる。さらに安全のために運行間隔が空くのでトータルではそんなに速くない。リニアの東京-名古屋駅間は速くても出発地から目的地まではそうでもないのでは。飛行機と同じだ。
途中に駅を作って止まれば一箇所「減速-停車-加速」で8分掛かる。4箇所作れば32分遅くなる。72分になるなら今の新幹線に近くなる。「リニアこだま」を「リニアのぞみ」が追い越すのに中間駅と中間駅の距離は均等ではないため待避時間が均等に8分ではない。遅い方は各駅で待ち時間長く今の新幹線のぞみより遅くなるのではないか。
輸送能力:車両は新幹線のように広くなく在来線程度なので1編成の輸送人員は少ない。本数も上記の理由で新幹線より少ない。
 飛行機は時速800kmから1000kmで飛ぶけど、「出発地から目的地」までの時間は、新幹線5時間、飛行機4時間の差でしかない。それより速くはない。付帯する「徒歩」「エレベータ」「電車」「バス」の合計で考えなきゃならない。






○快適か
90%トンネルというか深い地下を走るので超高速の地下鉄かエレベーターに乗ってるようなもので気持ち悪いと思う。仮に窓から外を見られても速すぎてめまいがする、遠くしか見えない。また、走行中は時間が短いため弁当を楽しむゆとりが無い。「リニアこだま」の方は待避時間ばかり長く、地下空間での待ち時間が耐えられないのではないか。「新幹線こだま」に乗っても途中の待ち時間はとても苦痛だ。ゆっくり楽しむなら在来線の方が適している。


 
一方、この春に金沢まで開通した北陸新幹線のように絶対スピードの速さではなく、魅力ある観光地への新幹線の乗り入れは、地域を活性化し、楽しい旅の選択肢が増えてとても喜ばしい。これくらいの交通手段が日本の国土の物理的サイズに合っているのではないかと思える。



○利用者数
現在の人口1億3千万人。名古屋まで開通した後の2030年には1300万人減。大阪まで開通した後の2050年には3800万人減。そして高齢者比率は2030年には32%、2050年は40%が高齢者だ。高齢者の多くが介護施設のベッドで寝ている。総合的にビジネスや旅行で移動する人は今の半分以下になるのではないか。そして飛行機、新幹線と選択肢があるときリニアを選ぶ人がどれくらいいるのだろう。リニアと新幹線は利用客を分け合う形なので「上乗せ」ではない。外国人旅行者が増えて利用してくれるのだろうか。



○電力
従来の新幹線の3倍の電力を消費する。大深度地下への往復移動は乗客全員エレベーター使用でさらに大きな電力消費が加わる。原子力発電無しでは成り立たない消費電力の大きさ。



○経済性
当事者のJR東海も、国土交通省も「採算は採れない」と言っている。新幹線で稼ぎながらトータルでペイするのだと。それはおかしい。人口が減り、合計の利用者数が減って(多少外国からの観光客が増加しても)売り上げが減るのに、新幹線とリニアに分かれてどうしてリニアの高額な建設費に見合う採算が採れるのか?




○建設費
9兆円とか試算が発表されているが、ほんとにそれで済むのか。数十%増しどころか数倍とかにならない保証はあるのか?
90%がトンネル工事で、アルプスの山々の下、未知の世界がほとんどという状況でその見積もりは甘くないのか。「不明」が正しいのでは?
仮に完成した結果、国民の税金で埋め合わせ、儲かったのは土建屋と一部の旗振り役だけ、という構図にならない保証はない。



○工事の難しさ
トンネルを掘削した残土の行き場所。未定、不明。建設中の田舎の道路の往来。工事中の作業員の、周辺地域の安全性。


○安全性
トンネル内で事故が起きたら、場所によって地上に避難することはとても難しい。アルプスの山の中腹に顔を出しても行く先が無い。雪の上を滑って帰ってくるか。



○磁場、電磁波の影響
まさか、超強力磁石、囲いの無い電子レンジではあるまいが、健康への悪影響はちゃんとわかっていない。重量物を宙に浮かせる磁力なので何も無いはずは無い。 ドイツでは線路の周辺に300mの干渉地帯を設置しても反対運動があり計画が破綻した例あり。車内の乗客はどうなるのだろう。時計、パソコンなどの電子機器に影響は無いと言われている。しかし、長時間の影響は不明で何かあれば対策のための重量増加、エネルギー増大。



○渇水、地下水の変化
大井川の水が減水する。地下水脈が途切れたり変化し、どこかの温泉が出なくなったり、予想外の変化が起きる可能性。「おらの温泉が出なくなった、保障しろ!」って問題が起きる可能性大。


 
空気の処理、技術的問題:
実験線は地上の設備なので時速600kmで走行しても車体によって切り裂かれた、あるいは押された空気は自由に逃げることが出来るが、本線は90%がトンネルなので空気の逃げ場を作らなければ走行に支障をきたす。何kmおきに立て坑を作るか、新幹線の2倍の速度で通過することで生じる空気抵抗は速度の2条に比例する。さらに現状の新幹線ですら克服するのに何年もかかった「微気圧波」の対策。 立て坑を作るなら避難路として使うためにエレベーターを作るか、階段か。乗客は何分で避難可能か。既に織り込み済みだと思うが、深い地底から地表に顔を出すまでの1本の立て坑にどれだけの技術と費用が掛かるか・・・・少なくとも5kmおきくらいに必要になる・・・

大深度地下、飛騨トンネルの土被り1000mで水圧が5.5MPaだったと記録あり、1400mは水圧がどれくらいあるのか、噴出した水の処理は?・・・・・めまいがしてきた。

と書いて、青函トンネルはどうしてるのか気になった。海の中だ。
青函トンネルにリニアを走らせたらどうなる。新幹線が通ることを想定して作られているが・・・・



○他国の場合
リニアらしい速度で商用運転しているのは中国の上海だけ。それもドイツのトランスラピッドという技術。愛知にあるリニモもドイツの技術で、リニアに違いないが低速レベルの物。他国では開発、検討はされたが他に実用運転されたことはない。アメリカや中国、ロシアのような大陸横断にこそ似合うように思うが真面目に検討されない。なぜなら、デメリットがはっきりしているから。




◎初めて知った超伝導リニアの意外:
150km/h以下の低速では浮遊力が弱く浮かないため、ゴムタイヤで走行するんだと。ブリジストンが戦闘機用の物を改良したゴムタイヤ。なんだか拍子抜けな感じ。空気は抜けないよな。








●JR東海、国土交通省、一部の土建業者が目先の利益で判断しているのではないか、そう思えてしょうがない。大きな数々の問題があると思うが、議論された形跡がない。あるいは公表されないのか、反対意見も多いと思うがほとんど表に出てこない。


●以上のような問題が懸念されるが、実際にそのような問題が生じた場合、取り返しのつかないものが多く、対策としては場当たり的なことしかできない。例えば寸断してしまった地下水脈などは人間の力ではもうどうしようもなくなる。答えも持たずに計画を進めてしまった。


●安全な乗り物、快適な移動手段を考えるにつけ、向く先がリニアではないと思うのだが。その前にやらなければならない大きな問題、まだ、解明されていない大きな不明な問題を解決し、悲惨な事故を起こさないこと、理不尽な原因で不幸を招かないことの方に力を注ぐべきである。


●では、これだけ反対意見を述べてるので完成したら自分は乗らないのか。2030年にも元気でいられたら乗ると思う。昔、成田空港建設に反対しながら今は利用してる。しかし、国のやることのでたらめに対する反対の理由と犠牲になった地元民の想いは忘れずにいる。リニア新幹線は「誰かの犠牲」というのではなく、「起こるかもしれない未知の大問題」に目を塞ぎ、「目の前の皮算用的利益」に目を奪われた一部の人間の暴走を恐れるのだ。事故の起こらないことを祈るばかりだ。あらゆる意味で。
  

Posted by とーしろ at 12:00Comments(4)建築物

2012年06月19日

東京駅ステーションホテル

久しぶりの出張で東京駅の新幹線ホーム待合室で本を読んでいました。

ふと目を上げるとニュースで見た工事中(今は完成か)の東京駅のオリ
ジナルデザインの屋根が見えたので、急いでカメラにレンズを取り付け。




OM-D (E-M5) オリ45mmF1,8 デジタルテレコン(つまり180mm望遠)


八角形ではないレトロな斬新の柔らか

こんな形をしていたのか、オリジナルは。

辰野金吾は日本近代建築の大御所なれど、テレビで見た
「東京駅を設計するに当たり最初はコンクリートを使う予定だったが
初めてコンクリートの固まる前の液体を見た金吾はこれは建築では使
えないと、レンガ造りに変更した」と聞いたときはがっかりしたものだが
黎明期の近代建築技術ではでは無理も無いことだったのだろう。その時点
で日本人でコンクリートを理解していた人はいなかった。(いたのか?)


金吾はまぎれも無く日本近代建築の基礎を作り多くの後輩も育てた人だ。
息子はフランス文学の・・・大御所ですと。


というようなお話しはともかく、豊かな発想の美しいデザインだ。
明治時代の建築は木造でもレンガ作りでも人肌の温度というか暖かさを
持っている。

なでてみたい。  

Posted by とーしろ at 20:37Comments(0)建築物