2015年03月03日
黒川能 第22回 蝋燭能 序
卒業や就職、入学など、若者たちが人生の節目を迎える時期にはまだ少し早い三月一日。東京と庄内を行き来する人の流れはとても少なく、鶴岡駅の特急「いなほ」のホームに並ぶ人はまばらだった。そんな中、年配の女性の集団が庄内弁ではない言葉で談笑する姿が華やいでいる。昨日、黒川の「蝋燭能」を鑑賞し、興奮冷めやらぬ様子の人たちだ。そのご婦人方のお顔と御召し物は王城会館と春日神社で見た方々だった。
二月一日と二日、神に奉仕する厳か、尋常事の熱気溢れる伝統の年中行事である王城祭は神様と地元の氏子のための重要な神事。それとは別に、他所から来る黒川能愛好者に、より気軽な雰囲気で能を楽しんでもらいたいと立ちあげたイベントとしての「蝋燭能」も2015年で22回を迎えた。以前、来たのは2009年。大きな「上」「下」の蝋燭が作られた年だ。
(2009年、作られたばかりの巨大蝋燭)
若者たちが立ち上げた「蝋燭能」も最初は手探りでご苦労も多かったことだろう。しかし、実行委員の人たちは、いかにスムースに事が運べるか、不都合な点はないか、客にどうしたら喜んでもらえるか、毎年毎年工夫と改善を重ねてきたに違いない。時折、風も感じる冷たい神社の板の間で、ぎゅうぎゅう詰めの狭さの中での観能は快適とは言えないながらも周りの人たちは皆満足気に感想を語る。
毎年参加する常連は、いつかの演能との違いや役者の成長進歩に目を細め、初めて参加する人は古式ゆかしき装束の付け方や囃子と謡の響きに目と耳を見開き、皆それぞれに楽しんでいる。
第一部で能と狂言を楽しんだ後、人数に限りはあるが、第二部の交流会で、豆腐を初めとする伝統料理に舌鼓を打ち、樽に入ったちょうどぬる燗の地酒に酔い、実行委員や役者との話題も滑らかに大いに盛り上がるのだった。
to be continued
二月一日と二日、神に奉仕する厳か、尋常事の熱気溢れる伝統の年中行事である王城祭は神様と地元の氏子のための重要な神事。それとは別に、他所から来る黒川能愛好者に、より気軽な雰囲気で能を楽しんでもらいたいと立ちあげたイベントとしての「蝋燭能」も2015年で22回を迎えた。以前、来たのは2009年。大きな「上」「下」の蝋燭が作られた年だ。
(2009年、作られたばかりの巨大蝋燭)
若者たちが立ち上げた「蝋燭能」も最初は手探りでご苦労も多かったことだろう。しかし、実行委員の人たちは、いかにスムースに事が運べるか、不都合な点はないか、客にどうしたら喜んでもらえるか、毎年毎年工夫と改善を重ねてきたに違いない。時折、風も感じる冷たい神社の板の間で、ぎゅうぎゅう詰めの狭さの中での観能は快適とは言えないながらも周りの人たちは皆満足気に感想を語る。
毎年参加する常連は、いつかの演能との違いや役者の成長進歩に目を細め、初めて参加する人は古式ゆかしき装束の付け方や囃子と謡の響きに目と耳を見開き、皆それぞれに楽しんでいる。
第一部で能と狂言を楽しんだ後、人数に限りはあるが、第二部の交流会で、豆腐を初めとする伝統料理に舌鼓を打ち、樽に入ったちょうどぬる燗の地酒に酔い、実行委員や役者との話題も滑らかに大いに盛り上がるのだった。
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Posted by とーしろ at 11:59│Comments(0)
│黒川能
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