2013年05月31日

『永遠のゼロ』

本屋大賞を受賞した「海賊とよばれた男」を読み、もっと百田尚樹の
作品を読みたくなった。たぶん、このパターンの読者は多いのだろう。

なぜなら、「海賊・・」が売れた後、「ゼロ・・」がまた売り上げを
伸ばしているから。

で、2年前に娘がこの本面白いよと言ったときはまだ百万部くらいだったと。
そのときは作者を知らず。オヤジにはなんのことだか。
今や「ゼロ」は「2百万部田 尚樹」  ずいぶん荒稼ぎするじゃないか。





この「帯」は調子こいてるが楽しそうだぜ講談社





でも本が売れるのは良いことだ



またもやこれだけの調査資料をどこから仕入れてきたかと言う膨大。

姉弟が自分たちの本当のおじいさんのことを調査する=戦時中、同じ
飛行気乗りだった人たちを訪ね話を聞きまくるというすじがき。

おばあさんが亡くなったとき、今まで本当のおじいさんと思ってきた
祖父が実はおばあさんの再婚相手であり、本当のおじいさんはお母
さんが生まれたときにはずっと戦地に行ったまま帰ってこなかった
ゼロ戦乗りだったと。



厚生労働省、旧海軍の団体などの調査情報から、当時の記憶を持つ人を
探し出し一人ひとり訪ねる。

「ヤツは臆病者だった、死にたくないと言ってはばからなかった」
「あんなヤツは大嫌いだった、逃げてばかりだった」
徐々に明らかになる本当のおじいさんの人物像、
「いや、腕の良い戦闘機乗りだった」


百田尚樹の小説は膨大な資料をどこかで展開するパターンで、今回は
それぞれの生き残った戦闘機乗りに長い史実を時系列に沿ってに語らせる
のだけれど、あるいはややもすると物語の中から逸脱するかに見せて実は
ちゃんと語り終わる時は物語の流れに戻ってくる。

そして怒号の結末、戦争の終焉まで生き残っていたのになぜ最後は特攻に
志願したか。なぜ、生き残る方に賭けなかったか・・・



当時の米兵の記憶・・
「ヤツのゼロは悪魔だった。あの高性能な我々の機銃をかいくぐって艦まで
飛んでくるなど出来るはずがない」

・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ヤツのゼロは我々の艦の甲板のど真ん中に命中した」




おばあさんは、、当時美しかった若い妻はどうやって生き残ってきたのか。
涙、涙なくして読めない。



さすが脚本家の書く小説だ。はらはらさせたり胸をなでおろしてくれたり
メリハリと起承転結はみごとだ。分厚い本だが面白く最後まで読める。




戦争物にはあまり興味が沸かない、兵器などはむしろ嫌いだ。しかし、
高度な技術の詰まったゼロ戦というマシンには興味はある。そして、日中
戦争時代に誰かが編みだした圧倒的ドッグファイトの有利を勝ち取る技
「左捻りこみ」にも興味が沸いた。


敵の後ろをとるのが空中戦の鉄則、当時の飛行機に「ロックオン」ボタンは
無いだろうけど。ところがわざと敵に後ろとらせてから、操縦桿をめいっぱい
引いて宙返りに持ち込み、回転の頂点に達するかのその直前に、右回転する
プロペラと逆に左回転しやすい機体の特性を利用して「すべりながら」小さく
宙返りすることであっという間に敵の後ろに回りこむ高度で不思議な「技」。


相手からは目の前にいたはずの日本の戦闘機が消えたように見えるらしい。
消えたと思ったらすぐ後に回りこまれていることに気づく。気づいた時には
すでに機銃でやられている。

そしてやがてゼロ戦の強さは敵国に知れ渡ることとなり、敵国の上官は飛行兵
にこう命令する

「ゼロとドッグファイトをするな」


ゼロ戦の性能が世界に類を見ない素晴らしいものだっただけでなく、日本の飛行
兵の飛行技術がこれまた素晴らしかったらしい。




「ゼロ戦」に纏わる背景をもっと知りたくこの本を続けて読んだ。



『祖父たちの零戦』




なんと帯書きは百万部田尚樹じゃないか鎮魂歌、読み終わってから
気づいたトンチンカン















さらに零戦は燃費性能が良く、一回の燃料補給で3000kmも飛べた。
飛行兵には過酷だったが800km離れた敵基地まで飛んで行き、戦闘
をして帰ってこれたという神出鬼没も相手を驚かせた。




ゼロ戦は登場して3年くらいは世界最高の戦闘機だったがグラマンF6が
登場してからはそのパワーに勝てなくなった。なにより資源が何もなく
なっていた。
飛行機を作る金属も飛ばす燃料も。有能な人材もどんどん減るばかり。


アメリカは不時着したりパラシュートで降下した兵隊をすぐに救助するし、
グラマンには操縦者を守る分厚い鉄板がついているが、ゼロ戦には最低限
の金属部材しか付いて無い、操縦席に当たれば死んだ。 もともと兵隊さん
の命はお国のために捧げるものだった。哀しいが思想の違いのあからさま。




戦争なんてやっちゃいけない



意外だったのが、テレビ番組でアマチュアがプロ歌手を目指す登竜門で有名な
「全国歌謡選手権」の審査員で淡谷のり子の隣りでヘッドホンを片側に持ちな
がら聴いていたキングレコードの偉いひとは有名なゼロ戦乗りだったと。


さらに、戦時中は敵国として戦った米国や中国の元飛行兵と交流会などがあって
も日本の元飛行兵たちは若くして死なせてしまった部下や敵味方の命を思い、
敵飛行機の撃墜数などはあからさまに自慢したりはしなかったと・・・


平和な時代になってから、ある元飛行兵が米国の記者の質問に答える形で作られ
た本が有名になり一人歩きして、マニアの中で彼が英雄のようになってしまい
「左捻りこみ」の技と共に「売れすぎた」例もあるらしい。本人の意図とは別に。








ポルコ、紅の豚野郎もカーチスとの空戦で使っているって、ビデオ見たけど
あまり速くてわからない    おれの人生 「左捻りこみ」


とおもいきやおかんに後ろをとられてばかり、どんな技をつかうのだ。
キャット空中3回転か!


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この記事へのコメント
零戦は改良すればするほど性能が悪くなったと聞く。
全部「現場の意見」を無視した海軍の意向だったと・・・
燃費も悪くなったし燃料タンクにも操縦席にも防弾装備は無し!
設計者の苦労は大変だったろ~な~

「国」(大本営)なんて今も昔も同じ。
本当の事は絶対言わない。
そして誰も責任とらない。

♪それ~でも~この国を~たまらなく愛しているから~♪

特攻で散って逝った若者達に合掌・・・
Posted by どぜお at 2013年05月31日 20:00
【どぜお様:

役人は 昔も今も 責任とらず

百年前から変わらない日本の風景のようです。

生まれ変わるなら役人になってみようか、真っ平ごめん。どうせなら役人の上に立ってみたい。

「お国のために・・」 死ぬことを当然と言いつつ 鬼畜米英  誰だって喜んで死ねるものか・・・

戦争が終われば命を掛けて戦った人を犯罪人扱い・・・このときこそ死にたくなるほど悲しかったんじゃないか・・こんな国だったのかと

ギブミーチョッコレー・・

ご都合的寝返りの何でもあり、無いのは一貫した強い思想。

かの国やあの国には最新の工業技術を伝授し、国家経済をものすごく助けたに係わらす功績を認めてもらえず、いまだに戦争の尻拭いをしてねーじゃねーかと責められる馬鹿さ加減も大概にしろだ。桁が数えられないくらい貢献しちまったのに。

特攻で散った若者たちの英霊は落ち着き先に困ったことだろう。


いいところがたくさんあるのにくだらない議員しかいない国、ちょろいもんだぜ、日本を捻るのは。 


淡谷のり子の横で片手でヘッドフォンを聴いていたオヤジは娘に言うんだよ。

葬式はするな、俺の骨はアルフラ海に撒いてくれ・・・・・・  聞いた娘は何年も後にその意味を知る


涙がとまらねーー
Posted by とーしろ at 2013年05月31日 21:48
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