大俵の一本桜
おかあちゃんが参加しているボランティア団体の代表から案内を受けて市原の里山にある一本桜を見てきました。
一本桜にたどり着く前に上手な鶯の完璧な「ホーー ホケキョッ」が聴こえてついうれしくなります。
山桜はソメイヨシノと違って花が咲くと同時に赤っぽい若葉が芽をふく。
この桜は里山の木々の間にひっそりと咲いていたのですが、2年前からこの桜の美しさに魅せられた方を中心に有志の方々協力して土地の所有者に了解を得て、山を切り開き周辺の木々と竹やぶを整備し、花を植え、ベンチを作り桜を楽しめるようにご尽力されたのだそうです。
場所は市原市の里山を登った少し奥まったところ。
『大俵』(おおひょう)というのは土地の所有者の屋号なのだそうです。
「一本桜」の幹。樹齢推定150年とのこと。
この桜を一般の方も楽しめるよう整備を始めたのが谷垣さんという京都出身の老舗呉服屋は東京銀座店に勤めておられた方で、現在は退職し今の名刺は「一本桜愛好家」という肩書きだそう。全国の「一本桜」を見て回り桜に魅せられた粋な方のようです。案内してくださった会の代表はその谷垣さんともご縁があるそうで。
さらに代表は所有者しか入れない場所に案内してくれた。
それはそれは見事な「椎の木」が地面近くまで枝を張って立っていた。
それはまるで木の神様が何百年も見守っているような静けさと大きさ。
樹齢何年になるだろうか、代表曰く、持ち主も「さてーっ?」とのこと。
夏、ここにハンモックを吊るしてビールを飲みながら本でも読んだら素敵だろうなぁ
どれくらい大きいか美女を隣に。
寄らば大樹の陰
時間があるなら専門家の東北大学の清和先生に見て欲しい木だ。
(先生にメールしたところ写真ではわからん、しかし桜も椎の木もとても立派な木だ。
時間があったら自分で見たい、とのことでした)
足元には山のすみれの可憐
振り向けば水仙の白い清楚
緑の間から木漏れ日が心地良い
テーブルと丸太の椅子など自然が楽しめるよう工夫されている。ここまで山を開き整備し、桜を見にきた一般の我々に甘酒を振る舞い、なんと親切な人たちだろう。人と人のつきあいが何かと世知辛いことになりがちな昨今、汗を流し持ち出しもして人様に喜んでもらおうという懐の深さはどこからくるのだろうか。確かに自分のお祖父さんや親父にはそういう面があったが、今の自分には到底まねのできないこと、己のことでキュウキュウしている。まだまだ修行ができていないようです。
空がどんより肌寒くなってきたのでおいとましたが、次々にやってくる人たちとすれ違った。今年はちょうど先週が満開の見ごろだったようだ。しかし、地面に無数に散った白き、風に舞い散る花びらも風情あり。
まだ、一般に開放して2シーズン目。これからもっとたくさんの人が訪れることでしょう。ただし、近隣にお住まいの方がたのことも察しつつ、有志の方の思いを汲んで静かに楽しみ跡を濁さず立ち去りましょう。
来年また見させていただきます、ありがとうございました。
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