2015年06月29日

黒川能 平成27年 例大祭 上座

式三番の次に上座の番組 『金札』

能は元々、人々の怨念や願い、祈り、などの想いが迷い、戸惑いゆえに漂っている状態を落ち着かせるために、神様、幽霊、鬼を登場させて解決を図る、、みたいなところを現しているように思います。すみません、とーしろの個人的言葉でいうとそんな感じです。

さらに「めでたい話」もあり「恐ろしい話」もあり、全くの創作もあれば史実に基づいた実在の人物も登場するし(源の義経なんかいい例)、実在の神社の成り立ちを語る番組もあるようです。

今年の例大祭の上座の演能はまさにその「実在の神社」のお話です。




桓武天皇の平安遷都の際、伏見の里に社殿造営のため、勅使が下向、神のお告を持っていますと、天から金の御札が降ってきました。それに天太玉命がこの国を護るため、この地に住むと書かれています。





観阿弥 作 とのことですが、京都 伏見にある「金札宮」の由緒そのものでもあるようです。天太玉命(あめのふとだまのみこと)を祀ってあります。ここにも天照大神(あまてらすおおみかみ)、さらに倉稲魂命(うがのみたまのみこと) (えーと稲の字がつくように食物の神様)も一緒にこの神社の祭神だそうです。

実際の神社のお祭りには芸子さんも登場しなにやら柔らかく楽しそうな雰囲気です。「金札宮」でぐぐって見てください。







能になるとこんなりっぱな姿になります。








弓を射て武徳を表し、日本国を寿いで神威を示し、君を守り国を治める印の金札を宮に納めて再び姿を消します。

天下泰平、五穀豊育・火難除去・家運隆昌 

立ち姿に強さと美しさがあります。鍛錬しないとこうはなりません。
とてもめでたい気分になる落ち着きと安心感のある舞でした。





続きまして上座の狂言 『しびり』

人気のあるひょうきんでとぼけたお話








用事を言いつけられた太郎冠者 おもいきり 「しびり中」 痛くて動けない

主人:せっかく振る舞いに太郎冠者を一緒にと言われたが痛くて動けないならしょうがないなあ。

太郎冠者:私のしびりは優しく言い聞かせると治ります。 ああ、治りました。

主人:それなら先に行って用事をすましてくれるか・・

太郎冠者:ああっ、また痛みがーー

主人:こらぁーーっ!





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Posted by とーしろ at 11:07│Comments(2)黒川能
この記事へのコメント
黒川能のことは無知なんですが、なかに
ひょうきんでとぼけたお話があるんですね

何時間位、演能するんですか?
Posted by トトロのこ at 2015年06月29日 13:07
【トトロのこ様:ありがとうございます。

とーしろオヤジは「黒川能の『なぜここに大規模な・・』の疑問が原点」ですが、プロの「能」のファンではないのでよくわかっていないのです。

ただ、わずかばかりの知識でいいますと、面白いひょうきんな芸能は「能」ではなく「狂言」です。プロでいえば野村萬歳などは有名ですね。

能と能の間に演じられ、能を楽しむ時間全体に緩急を与えているような気がします。

能の 演能時間は短くて1時間半、長い番組は2時間半くらいあるでしょうか。その間、板の間に正座する謡いの忍耐も「芸」の極みなように思われ。

ここに紹介しました上座の「金札」は『半能』といって、意識的に物語を割愛して観る人の負担にならないようにしてあります。 数百年の伝統は、舞う仲間のことも、そのときのシチュエーションも、観る者の気持ちも重々承知の上で舞台に立っているようです。


清和といっても観世清和の舞いは観たことがない。プロの能を観ておくべきとは常に思っているが、なんとなく腰が上がらない。

黒川の手に入るべく本は全て読み、わずかな知識を得てみれば、土着からそのまま発展した「黒川能」が古式を持続していることに興味を持っています。 そのうえで技をさらに高めようと努力した「上野丹宮」という男はすごいと思った。由部太夫のおじいさん。本でしか知らないが。

「狂言」は20分から30分くらいでしょうか。 太郎冠者の我がままや、知恵比べみたいなことがテンポ良く展開され、ちゃっちゃとオチまでいきます。通常は「直面(ひためん)」で人間が演じますが、狐や 可愛い猿が登場する狂言もあり、面白おかしく、愛情豊かな世界がそこに広がります。是非。
Posted by とーしろとーしろ at 2015年06月30日 05:21
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