2015年04月04日

黒川能 第22回 蝋燭能 本編Ⅱ





下座 『龍田』




まずは神への礼

何時、拝見しても美しい




六十余州を巡る僧の一行が大和の龍田を越え、龍田明神参詣のため河内国へ急ぐ途中、龍田川に到着します。




(蝋燭の火入れをされていた役者さん)


川を渡ろうとすると「およしなさい」と止める人がいる



巫女 : 「龍田川紅葉乱れて流るめり渡らば錦中や絶えなん」

僧 : 「今は氷が張っているではありませんか」

巫女 : 「龍田川紅葉を閉づる薄氷、渡らばそれも絶えなん」



巫女 : 「道をご案内いたしましょう」




そこで冬になろうとしている時期に 「紅葉している御垣の紅葉がご神木なのです」 と言いさらに



 
「何を隠そう、私が龍田姫のご神霊なのです」と言い残して社殿に消えた





ここでアイ狂言登場







そのよる、僧が通夜を行っておりますと、龍田姫の神霊が現れて、明神の縁起を語り、あたりの風景を賞美した後、神楽を舞って昇天します。




今回の上座、下座の曲は地謡がリズミカルに上下に複雑にうねるような響きが心地よく。






舞台になった竜田川は実在の川で、奈良の龍田神社も立派な由緒ある神社。   

嵐吹く三室の山のもみじ葉は 竜田の川の錦なりけり  能因法師
   千早ふる神代も聞かず竜田川 からくれなゐに水くぐるとは 有原業平

この龍田神社は能猿楽集団の「板戸座」の発祥の地でもあり、板戸座とはのちの 能シテ 「金剛流」のことだそうで、ここに「金剛流発祥の地」という石碑が建っているのだと。 

私のごとき知識の浅い者には、夢うつつの境目がぼんやりしてくるようなお話です。ある程度以上の規模を持つりっぱな神社には能楽堂が備わり、仏教の世界観を写し出した「能猿楽」が演じられ舞われ、神様の世界と仏様の世界が表裏一体となっていた時代の感覚はどのようなものだったろうか。明治政府により引き離された後の時代に生きる者には想像すらむつかしい。

黒川の春日神社に残る舞台正面中央の「法光院柱」は、えらいお坊さんの寄りかかるための柱だったそうな。ひょっとすると、昔のお坊さんは神職も兼ねていて、「袈裟衣」を裏返すと「神職の衣装」に早変わりなんちゃって・・・次の交流会へGO!


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Posted by とーしろ at 14:14│Comments(0)黒川能
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