2013年04月11日

春秋山伏記 ボーホー

出張で新幹線に乗ろうとしたとき、気持ちと時間に多少の余裕があれば
習慣的に東京駅の本屋に寄る。

今話題の本も悪くはない。
ナンバープレイスはもう飽きたって訳じゃないが今のお気持ちに合わない。

藤沢修平は酒田と北九州の単身赴任のときにほとんど読んだつもりでいるが
多少取りこぼしがあるはず、と思って2冊買ってしまった。
「龍を見た男」
「春秋山伏記」

一度読めば気が済むほうなので過去に読んだものはダンボールに入れて押入
れに格納していて、まだ読んでいないタイトルが何だったかわずかな記憶を
たどることになるわけだが、同じものを買ってしまえば家の者にこう言われるに
決まっている。

「お父さん、ぼけた」
「やかますぃわい!」

今回はかろうじて大丈夫だった。






「松の勧進、ボーホー」である

ほら貝の音は正確には「ボーオーホー」と三つの音階であった。

年末近くになると(11月かもしれない)山伏が家々を回りお札を配って歩く
姿が思い出される。いつか、Blogに書いたことがあると思うが数年前の11月
だったか、何かの用事で妻の実家にいるときにやってきた山伏は35年ぶりの
体験だったが顔を見てびっくり。中学の同級生だったのだ。

「あれ?とーしろだが」
「おーっ、しげみでねーか」
「お札さなんぼ払えばいい?」
「500円ももらえばいい」




あとがきで目に付いたこのくだり。


以前、黒川能資料8という記事で紹介した戸川安章がここにも登場する。

戸川安章は鶴岡北高校の先生、教頭でもあった民俗学者。
山伏、修験道、出羽三山などについて多くの著作を残している。
なんと割と近年の2006年まで、100歳まで存命だったとは丈夫。




この物語を読んで一番印象に残ったのは山の奥からやってくる
「箕つくりしょだ」

実際に月山方面から平野にやってきて農作業や台所で必要な「箕」を
売ったり修繕してくれる人々がいた。なんとなくそういう人たちを見た
ような子供心にかすかな記憶がある。

「箕」とは、空中に扇いで豆の殻を分別したり、梅干の梅を干したり
する竹細工のみごと。つるで編んだようなものもあったか。





ミレーの絵にも登場するように日本だけじゃなく世界各国で使われている
のが面白い、欧米か!



ところで、藤沢修平でまだ読んでいないのはあと何だったっけ。
ばねが効いてキレのある端正な文章はもう増えていかないのが悲しい。


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