2009年07月11日

たくさんの「ふたつのスピーカ」

就職してからのずっこけオーディオ、とりわけスピーカーの変遷

電子的工作や木工でも技術的な内容には一切触れてこなかった定性的表現のblogだが、たまには技術の香りを嗅がせてあげよう。

(くつしたの?それだけはやめて、先生!)
(技術的うんちくの話じゃ、早とちりなやつよのー。って、又八 いたのか、いつの間に)
(だっぷらの時のドップラー効果から抜け出せませんでした)
(まあいい、たまに顔出せ、今度はもんぺくらいにしておいたほうが無難だぞ)



スピーカーユニットを裸で鳴らすとスカスカした音スカしない。
表裏の音が一緒になり打ち消しあい、生き残った音スカ聴こえないせいだ。位相が逆なのだヨ。これを解決しイイ音で効く為のスピーカーボックスにはおおまかに次のようなタイプがある、イラスト参照。


たくさんの「ふたつのスピーカ」



そこで、平らな板に(サイズはともかく)に穴を開けて取り付けた「平面バッフル」という単純な構造でも驚くほど改善し、物によってはこれでかなりイイ音で聴けたりするばあいもある。


こういう理屈を知ったガキが増殖したどこかの学生寮では窓のアルミサッシの溝に裸のスピーカを挟むのが流行ってたようだ。 授業が終わって寮に帰ると、複数の学生が一斉にステレオを鳴らす。 誰かはキャンディーズ、誰かはピンクフロイド、誰かは拓郎、丸山圭子、たまたZEPなどと一斉に鳴らすもんだから、寮に挟まれた通路がうるさくてかなわんという重大な欠点が露呈した。



次に平面バッフルの板を全部折り曲げて箱にしてしまったのが密閉箱。スピーカの裏の音を押さえ込んで、表の音だけを聴く。箱の中には吸音材(グラスウールやフェルトなど、たまに古着を洗濯しないで入れるやつが・・いるわけねぇーだろ)を入れて箱内部の音圧を吸収する。  (どうりで鳴らすと少し匂う)



バスレフってやつは、昔から『名前が間違ってる』と思う。 そう思っているオーディオ好きは他にもいるはずだ。
BASSを反射(レフレックス)してるわけじゃない。バスレフポートの空気mass(重量)をBOX内部の空気ばねで共振させて低音を増強してるのだ。レゾナンスだ。 バスレフポートの中の空気を低音の音源にしてるのだが、スピーカの低音と位相が同じなので増強される。ユニットの特性をきっちり把握すれば一番安定した方法かも。  でも、バスレゾとは言わないバスレフで結構です。 どうぞこのまま。



ここまで書いて、つまり、荒っぽく言うと、スピーカボックスを設計製作するというのは低音をいかに引き出すかが命題である。中高音というのは誤解を恐れず言えば、メーカーが作ったままでイイ音が出るものであり、スピーカーボックスを作る程度のアマチュアがいじるところはそうそう無い。強いて言えば、カット周波数を判断したり、コンデンサに凝ったり、置台に神経使ったり程度だ。


次に一般的ではない「タンデム」、単車の後ろに女子を乗せるとむずがゆく、うれし楽しかった。 友達のCB350CC  「ちょいと飛ばすからしっかり掴まってな」 「捕まるわよ」  ってなもんよ、三度がさ。 ヘルメットからなびく黒髪。 背中に集まる全神経。 


なんの話だか忘れたふりして、何事も無く go ahead スピーカのタンデム、興味なし。



自作派多くの人が大好きなバックロードホーン。N先生が広めてくれちゃってすごいことになってました。小さなユニットで驚くような低音が聴こえる、という意味ではアマチュアをだまくらかすには効果てき面。しかし、作るには根気と道具と技術的精度が必要です。低音を欲張り、ホーンを長くするとデメリットもあります。BOXの容積で決まる最低周波数とホーンの上限周波数のクロスをうまく持ってこないと300〜400Hzのカンカンした音が耳につきます。はまればインパクトのある素晴らしいシステムになります。N先生の設計を少し変形して「自作」を名乗る輩の多いこと。



共鳴管もだいぶ自作派には流行ってる。スピーカに背圧が掛からない分いやな音が付きにくく素直な音がする。共鳴周波数で3db増強。片方が開放された管のどこにユニットを置くか、管はテーパーか直管かで設計が違います。これも300〜400Hzが洞窟のような音ににならないよう調整するのがミソ らしいど。  天然パーマじゃなく、テーパーがついて1/4周波数で共振させる方式が「QTWT」という。



ダブルバスレフってのは最初のバスレフで低音増強し、もうひとつのバスレフで少し低い周波数を増強。ユニットのドライブ能力や箱の工作精度がうまくかみ合わないともくろんだ周波数でバスをレフしてもらえません。結構難しいです。はまればフルレンジで、ウーファ1個得したような効果があります。そんな調子よくいくかい! いくこともあります。





で、故郷を離れ、遠い関西のノリノリのコテコテの土地にクラシアン。サラリーマン生活に突入。

独身寮で6畳和室 一度やってみたかった共鳴管 FOSTEX FE103Σ 自作QTWT  道具工具無く、工場の大工じいさんに協力してもらって合板をカット、寮で接着。  最初、カンカンしてましたがなじんできたら俄然イイ音がしてきました。

管の共鳴周波数と管の長さの関係は  L=340/4/(もくろみの低音周波数) なので1/4Waveテーパード QTWT です。
340m/sは音の速さ  周波数を50Hzとすれば L=170cm  理屈は下のイラストですが、形は上のイラストのような断面で作りました。写真はありません、カメラを持っていませんでした。


たくさんの「ふたつのスピーカ」


バックロードと違い、目的の周波数中心で+3dbの増強効果です。うまくはまればバランス良し。寮内で、そのころ大ヒットしていたメーカー製30cm3WAYより良い音と仲間が悔しがる、自作の醍醐味はこの辺にもあります。スピカふたつで6000円、板材3000円程度で、メーカー製の何万円するものよりイイ音がするんですからやめられません。



その頃、同じ寮内の地元出身の同級生、ロータスヨーロッパ乗るやつ=ギブのハミングバード持ってるやつ(うでは今二くらい)が、JBLアテナ(35cm2WAY)でキャンディーズ「春一番」をでかい音で聴いていた、初の身近に存在するJBLとの遭遇) JBLの音はからっと明るく、弾むような重低音を軸にヴォーカルが生々しく、ハイハットや弦のきらびやかな金属音までしっかり聞こえて、強烈な印象を覚えている。持ち主がキャンディーズしか鳴らさなかったのでそれ以上は知らない。

この頃、ライブ関係では、ウェストロードブルースバンドや上田正樹、サザンブリード関西のROCKブルースは熱かった。フォークの神様:岡林信康となんども生活圏ですれ違う。フロ屋の雄琴を尻目に琵琶湖バレーのJAZZフェスに行く。17歳の本田俊之がナベサダに紹介されdebut。 京都に行けば・・シアンクレール・・二十歳の原点・・・(こないだの新聞に母上が手記を載せていた)   相変わらずマルチな話題も己のblog内なら許されよ


じゃんじゃん、 東京に移動、板橋で暮らし三鷹に引越し、永福町、下高井戸 流転輪廻。七転八倒。七転び八起き


PIONEER PE-101 バスレフ 当たり前の音 インパクトは薄かった   
(このスピーカーは最近、復刻版が2倍以上の価格で販売された。おらは今でも古いのを持っていて、5年位前、3m音道のバックロードホーンにリメイク。地獄の底から這い上がる重低音が聞こえる)


FOSTEX FE103Σ スパイラルバックロード 「蚊取りセンコー」 ロードが遠慮気味で効果薄。
これも今は別設計にリメイクされ3wayの中域を受け持っている




次回、意外なところでJBLと遭遇する・・・・ポチッと!
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Posted by とーしろ at 21:23│Comments(2)こしらえる
この記事へのコメント

こんばんは。とーしろさん。
スピーカーボックス、奥が深そうですね。
「タンデムは単車+女子に限る。」と。
勉強になりました(笑)
次回、「JBLとの遭遇」楽しみです♪
Posted by かず at 2009年07月11日 23:39

【かず様:どうもです。相変わらずはちゃめちゃ回顧録を臆面も無く書いております。
Posted by とーしろ at 2009年07月12日 04:14
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