いがげや(修理)のお話ですが、今回はおかあちゃんのぬいぐるみ再生です。
おかあちゃんがまだ、とーしろオヤジと出会うはるか昔に東京でヴいヴい
いわせていた独身の頃、姉さんの息子にぬいぐるみを買ってあげた。
幼い息子たちはそのぬいぐるみを 『ゴリ君』 と呼び、毎日抱えて遊んだ。
やがて、その息子達も結婚し子供も出来てりっぱなお父さんになり幸せに
暮らしている。
『ゴリ君』 は30年の風雪に耐え、ペットの攻撃をかわしながら生き永らえたが
いつしか、顔は破け、目はどこかになくなり、中のスポンジが出てくるほど
ぼろぼろになった。
しかし、姉さんはいくらボロボロになっても、息子たちが大事に遊んだぬいぐるみを
捨てることが出来なかった。
そのぬいぐるみには幼い息子たちの笑顔と泣き顔とよだれが、あるいは、
必死で子育てしていた若い自分の汗と涙が渾然一体となって染みこんでいた。
そして、うちのおかあちゃんのところに持ってきてこう言った
「あなたなら直せる?」
「わかんないけど、やってみる」
やってみた
(ビフォーの写真は無い、中身の出てしまった悲惨な姿はネットに載せられない)
顔の布は裁縫箱にとってある素材から厚手の物を探し、起毛した。
真っ白な色は雰囲気が出ない・・・・・ゴリ君の肌を再現する・・
とーしろオヤジ 「コーヒーで染めたら?」
染めた後のコーヒーは俺が飲んだ。
目は?・・・・ボタン箱を探し・・・・ちょうどいいのが あった。
臓物のスポンジを元に戻し縫い合わせ、肌と茶色い毛の合わせを調整し・・・
かくして依頼主と再会したのでした。
「あ゛-っ すごいっ 直ってる、ゴリ君よかったねぇ!」
姉さんは涙を流して喜びました。
めでたし。
鼻は・・・・
三線用ギターAMPと同じアメリカ製トーレックス(人工皮革)をハート型にして貼ってある